「WiMAXの月額料金が高い…」「契約の縛りなしで、このルーターをもっと安く使えないかな?」
そのように感じている方も多いのではないでしょうか。
実は、契約が終了したWiMAXルーターに「格安SIM」を挿して使うことで、通信費を劇的に節約できる可能性があります。
この記事では、専門知識がない方でも安心して試せるよう、WiMAXルーターと格安SIMを組み合わせて使う具体的な方法を徹底解説します。
設定手順からおすすめのSIM、注意点まで詳しく解説しますので、月々の通信費を賢く見直したい方はぜひ最後までご覧ください。
【結論】WiMAXは格安SIMで使える!ただし条件と注意点あり
結論から言うと、手持ちのWiMAXルーターに格安SIMを挿してインターネットに接続することは可能です。
この方法を実践すれば、通信費を大幅に削減できるなど、多くのメリットがあります。
しかし、一方で公式に推奨された使い方ではないため、いくつかのデメリットや注意点が存在することも事実です。
まずは、この組み合わせのメリットとデメリットを正しく理解することから始めましょう。
メリット①:月額料金が1,000円台に?通信費を劇的に削減
この方法の最大のメリットは、月々の通信費を劇的に安くできる点です。
一般的なWiMAXプロバイダの月額料金は4,000円から5,000円程度ですが、格安SIMならデータ容量によっては月額1,000円台から利用できます。
年間で考えると、数万円単位の大きな節約につながる可能性があります。
項目 | 通常のWiMAX契約 | WiMAX + 格安SIM | 差額(年間) |
---|---|---|---|
月額料金の目安 | 約 4,500円 | 約 1,500円 | 約 36,000円お得 |
2年間の総額目安 | 約 108,000円 | 約 36,000円 | 約 72,000円お得 |
※料金はプランやキャンペーンにより変動します。
メリット②:契約期間の縛りから解放される自由度
多くのWiMAXプロバイダは、2年や3年といった契約期間の縛りを設けています。
期間内に解約すると高額な違約金が発生するため、気軽に乗り換えられないのが難点です。
しかし、格安SIMの多くは契約期間の縛りがないか、あっても短期間です。
そのため、自分のライフスタイルの変化に合わせて、いつでも気軽に見直しや解約ができる自由度の高さが魅力です。
デメリット・注意点①:混雑時間帯は速度低下の可能性
格安SIMは、ドコモ・au・ソフトバンクといった大手キャリアの通信網を借りてサービスを提供しています。
そのため、多くの人が同時にインターネットを利用するお昼休みや夜の時間帯は、道路が渋滞するように回線が混雑し、通信速度が低下することがあります。
本家のWiMAX回線と比較すると、時間帯によっては速度が遅いと感じる可能性があることは覚えておきましょう。
デメリット・注意点②:対応機種やSIMが限定的で、メーカー・キャリアの動作保証外
この方法は、メーカーや通信キャリアが公式に保証している使い方ではありません。
そのため、すべてのWiMAXルーターで利用できるわけではなく、対応するSIMカードも限られます。
万が一、設定がうまくいかなかったり、通信トラブルが発生したりしても、サポートは受けられず、すべて自己責任で解決する必要があります。
【実践ガイド】WiMAXで格安SIMを使うための4ステップ
メリットとデメリットを理解した上で、「実際に試してみたい」という方のために、ここからは具体的な設定手順を4つのステップで解説します。
専門知識がなくても真似するだけで設定できるよう、一つずつ丁寧に説明していきますので、ご安心ください。
STEP1:対応するWiMAX端末を準備する
まず、格安SIMを挿して使うためのWiMAXルーターを準備する必要があります。
すべての機種が対応しているわけではないため、どのルーターを選ぶかが最初の重要なポイントです。
使える機種一覧(HOME 01/02, W06など)
一般的に、auの4G LTE回線に対応している少し前の世代のWiMAXルーターが、格安SIMでの動作報告が多く上がっています。
特に以下の機種は、中古市場でも比較的手に入りやすく、実績も豊富です。
機種名 | タイプ | 特徴 | 中古相場の目安 |
---|---|---|---|
Speed Wi-Fi HOME L01/L02 | ホームルーター | コンセントに挿すだけ。安定した通信が魅力。 | 2,000円~5,000円 |
Speed Wi-Fi NEXT W05/W06 | モバイルルーター | 持ち運び可能。バッテリー性能も比較的高め。 | 1,000円~4,000円 |
WiMAX HOME 01/02 | ホームルーター | コンパクトなデザインで設置場所に困らない。 | 1,500円~4,000円 |
最新の5G対応機種は、SIMカードに制限がかかっている場合が多く、格安SIMでの利用は難しい傾向にあります。
【独自情報】中古ルーターをお得に入手する方法と注意点
中古ルーターは、フリマアプリやネットオークション、中古スマホ販売店などで手に入れることができます。
購入する際は、安さだけでなく以下の点を確認し、トラブルを避けましょう。
- SIMロックの有無:「SIMフリー」または「au回線」で利用できる端末か確認する。
- 端末の状態:バッテリーの膨張や大きな傷がないか写真でよく確認する。
- 残債の有無:ネットワーク利用制限が「〇」になっているか確認する。
- 付属品:ACアダプターなど、必要な付属品が揃っているか確認する。
STEP2:動作確認実績のある格安SIMを選ぶ
次に、準備したWiMAXルーターで使う格安SIMを選びます。
WiMAXルーターはauの回線網を利用しているため、同じau回線を使った格安SIMを選ぶのが基本です。
おすすめ① mineo(マイネオ):au回線(Aプラン)が最有力候補
WiMAXルーターと格安SIMの組み合わせで、最も多くの動作報告が上がっているのが「mineo(マイネオ)」のAプラン(au回線)です。
月々のデータ容量を1GBから20GBまで選べる「マイピタ」プランが基本となります。
さらに、月額385円の「パケット放題Plus」オプションを追加すれば、最大1.5Mbpsの通信速度でデータ通信が使い放題になるため、動画視聴などを頻繁に行う方におすすめです。
おすすめ② IIJmio:タイプAでの動作報告も
mineo以外の選択肢としては、「IIJmio(アイアイジェイミオ)」のタイプA(au回線)も候補になります。
IIJmioは、2GBから55GBまで細かくプランが分かれており、料金も業界最安級です。
頻繁にキャンペーンを実施しているため、タイミングが合えばお得に契約できる可能性があります。
【重要】失敗しない格安SIMの選び方(回線・SIMサイズ)
格安SIMを契約する際に、絶対に間違えてはいけないのが「回線種類」と「SIMカードのサイズ」です。
- 回線種類:必ず「au回線」(AプランやタイプAと表記されます)を選びましょう。
- SIMカードのサイズ:利用するWiMAXルーターのSIMサイズを事前に確認してください。多くの機種は「nanoSIM」サイズに対応しています。
この2点を間違えると、SIMカードを挿しても認識されず、利用できないため注意が必要です。
STEP3:APN設定を完了させる
SIMカードが手元に届いたら、ルーターでインターネットに接続するための「APN設定」という作業を行います。
少し専門的に聞こえますが、手順通りに進めれば難しくありません。
Wi-Fiでルーターに接続し、設定画面を開く方法
まず、パソコンやスマートフォンをWiMAXルーターのWi-Fiに接続します。
次に、Webブラウザ(ChromeやSafariなど)を開き、アドレスバーに以下のIPアドレスを入力してアクセスします。
- http://192.168.100.1 または http://speedwifi-next.home を入力
- ログイン画面が表示されたら、ユーザー名とパスワードを入力してログイン(初期値は本体のラベルに記載されています)
- メニューから「設定」>「プロファイル設定」などの項目を選択
プロファイル設定の具体的な入力値一覧(mineo, IIJmioなど)
プロファイル設定画面で、契約した格安SIMの情報を入力します。
主要な格安SIMのAPN情報は以下の通りです。
設定項目 | mineo (Aプラン) | IIJmio (タイプA) |
---|---|---|
プロファイル名 | mineo(任意) | iijmio(任意) |
APN | mineo.jp | iijmio.jp |
ユーザー名 | mineo@k-opti.com | mio@iij |
パスワード | mineo | iij |
認証タイプ | CHAP | PAPまたはCHAP |
情報を入力したら「保存」や「適用」ボタンを押して設定を完了させます。
STEP4:ネットワークモードを確認する
APN設定が完了したら、最後にネットワークモードを確認します。
WiMAXルーターの設定画面で「通信モード設定」などの項目を開き、「ハイスピードプラスエリアモード(HS+A)」を選択してください。
このモードでは、WiMAX専用の電波ではなく、auの4G LTE網を利用して通信します。
格安SIMが利用できるのはLTE網のみのため、実質的にこのモードが必須となります。
エリアが広く、通信も安定しやすいため、格安SIMで運用する場合は必ずハイスピードプラスエリアモードを選びましょう。
WiMAXと格安SIMを組み合わせた場合の利用イメージ
設定方法が分かっても、「実際にどのくらい快適に使えるの?」という点が一番気になりますよね。
ここでは、WiMAXルーターに格安SIMを挿して使った場合の一般的な利用イメージを紹介します。
通信速度の目安と時間帯による傾向
「WiMAX HOME 02」と「mineo Aプラン」の組み合わせを想定した場合、時間帯によって速度に差が出ることがあります。
公式WiMAX(5G対応プラン)に比べると速度は劣りますが、Webサイトの閲覧やSNSの利用には十分な水準です。
時間帯 | WiMAX + 格安SIM (下り) | 公式WiMAX (下り) |
---|---|---|
平日12時台(混雑時) | 5~15 Mbps | 80~150 Mbps |
平日21時台(通常時) | 20~40 Mbps | 100~200 Mbps |
休日14時台(通常時) | 25~50 Mbps | 120~220 Mbps |
※上記は一例であり、環境によって速度は大きく変動します。
動画視聴やオンライン会議など用途別の快適度
速度の数値だけでは分かりにくいので、一般的な用途ごとの快適さの目安を整理しました。
高画質な動画視聴やオンラインゲームには向きませんが、日常的な利用であれば十分にこなせるレベルです。
用途 | 快適度 | コメント |
---|---|---|
Webサイト閲覧・SNS | ストレスなく快適に利用可能。 | |
YouTube (標準画質) | 途切れることなくスムーズに視聴できる。 | |
YouTube (HD画質) | 混雑時以外はほぼ問題なく視聴可能。 | |
オンライン会議 (Zoom) | 映像が少しカクつくことがある。音声は問題なし。 | |
オンラインゲーム | 速度や応答速度が不安定なため、おすすめできない。 |
【究極の選択】公式SIMのみ契約や最新WiMAXプランとどっちがお得?
「WiMAX+格安SIM」という方法は、本当にベストな選択なのでしょうか。
ここでは他の選択肢と比較し、あなたにとって本当にお得なのはどの方法なのかを考えていきましょう。
「格安SIM運用」vs「UQ WiMAX SIMのみ契約」の比較
公式のUQ WiMAXでも、SIMカードのみを契約するプランが提供されています。
これと格安SIM運用を比較してみましょう。
項目 | 格安SIM運用 | UQ WiMAX SIMのみ契約 |
---|---|---|
月額料金 | (約1,000円~) | (約5,000円) |
通信速度・安定性 | (時間帯により低下) | (公式品質で高速・安定) |
サポート体制 | (自己責任) | (公式サポートあり) |
設定の手間 | (APN設定が必要) | (SIMを挿すだけ) |
おすすめな人 | コスト最優先で、自分で設定できる人 | 速度と安心感を重視する人 |
安心感や通信品質を重視するなら公式SIM、コストと自由度を最優先するなら格安SIM運用が向いています。
「格安SIM運用」vs「最新WiMAXプロバイダ契約」実質料金で比較
中古ルーターではなく、GMOとくとくBBなどのプロバイダで最新の5G対応ルーターを新規契約する場合と比較します。
各社が実施する高額なキャッシュバックや月額割引を考慮すると、実は最新プランの方がお得になるケースもあります。
項目 | 格安SIM運用 (2年間) | 最新WiMAXプロバイダ (2年間) |
---|---|---|
初期費用 | 中古ルーター代 (約3,000円) | 事務手数料 (約3,300円) |
月額料金 | 約 1,500円 | 約 4,800円 |
割引・CB | なし | – 40,000円など |
2年間の総額 | 約 39,000円 | 約 115,200円 – 40,000円 = 約 75,200円 |
実質月額 | 約 1,625円 | 約 3,133円 |
長期的に見ると、キャッシュバックを含めれば最新プランも十分に安価です。
何より最新機種の高速通信が利用できるメリットは大きいと言えるでしょう。
【視野を広げる】本当にそれが最適解?他のインターネット回線を比較
ここまで「WiMAX+格安SIM」の方法を深掘りしてきましたが、もしかしたらあなたにはもっと適したインターネット回線があるかもしれません。
固定観念にとらわれず、広い視野で最適な選択肢を探してみましょう。
選択肢① 自宅メインなら「ホームルーター」や「光回線」も検討
インターネットの利用がほぼ自宅に限られるなら、他の選択肢がより快適かもしれません。
- 光回線:最も通信速度が速く、安定しています。オンラインゲームや高画質動画の視聴もストレスフリーです。工事が可能なら第一候補になります。
- ホームルーター:工事不要で、コンセントに挿すだけで使える手軽さが魅力です。ドコモの「home 5G」など、WiMAX以外の選択肢も豊富で通信品質も高いです。


選択肢② 外出先でも使うなら最新の「ポケット型WiFi」
外出先でも快適なネット環境が必要な場合は、最新のポケット型WiFiを検討する価値があります。
特に「クラウドSIM」という技術を使ったポケット型WiFiは、ドコモ・au・ソフトバンクの回線に自動で接続するため、WiMAXよりも対応エリアが広いのが特徴です。
月間のデータ容量に応じて様々なプランがあり、契約期間の縛りがないサービスも増えています。

WiMAXと格安SIMに関するQ&A
最後に、この組み合わせに関してよくある質問とその回答をまとめました。
【まとめ】WiMAXと格安SIMの組み合わせは「賢い選択肢」、ただしリスク理解が必須
今回は、WiMAXルーターに格安SIMを挿して通信費を節約する方法について詳しく解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- メリット:月額料金を1,000円台に抑えられ、契約期間の縛りからも解放される。
- デメリット:公式の動作保証がなく自己責任。混雑時の速度低下や設定の手間がある。
- 向いている人:コストを最優先し、自分で設定やトラブル対応ができる知識がある人。
- 他の選択肢:速度や安心感を求めるなら公式SIMや最新WiMAX、利用シーンによっては光回線やホームルーターも有力な選択肢となる。
この方法は、通信の知識がある方にとっては非常に魅力的な「裏ワザ」です。
しかし、すべての人にとって最適な方法とは限りません。
本記事で紹介したメリット・デメリット、そして他の選択肢を総合的に比較検討し、あなたの使い方に本当に合った、最も賢いインターネット環境を見つけてください。